本書の内容

 

第1章 自分づくり ~はじめの一歩は自分繁盛
第2章 店づくり ~入口はわからないほどいい
第3章 人づくり ~スタッフはみんな舞台俳優
第4章 コトづくり ~心も満腹になってもらいたい
第5章 未来づくり ~夢がなくても人は輝ける
<解説> 宣伝なしでも行列ができる居酒屋の秘密 西田文郎

◆商売とは「いかに来てもらうか」ではなく「いかに帰ってもらうか」

岡村佳明さんの商売の先生は、六十年前、藤枝にカウンター五席だけの小さな小さな居酒屋をつくったおかあさんでした。
居酒屋に限らず、商売をやっている人は「どうやってお客さんに来ていただこうか」ということを考えていると思います。でも、著者は、ちょっと違うことをおかあさんに教えてもらいました。それは「商売とはいかに来てもらうかではなく、いかに帰ってもらうか」だったのです。
いかに来てもらうかを考えると、宣伝したり、大きな看板を出したり、安売りしようと考えます。でも、岡村さんのおかあさんはいつでも「いかに帰ってもらうか」だけを考えていたのです。岡むら浪漫の、そして著者のポリシーでもある「宣伝しない」「看板出さない」「入口はわからないほどいい」「100%口コミのお店をつくる」ということの原点はこの教えにあります。その追求が、岡むら浪漫の「店づくり」へとつながっています。

◆「商売繁盛」より「自分繁盛」

おかあさんの教えの中で、著者の指針となったのが「好かれる人間になったら、周りの人は寄ってきてくれる」という言葉でした。宣伝をしなくても、安売りをしなくても、ちょっとくらいまずくても、好かれる人間になれば、周りの人は寄ってきてくれるということなのです。どうすれば、人から好かれる自分になれるのか、その追求が店のスタッフの育成へとつながっています。「魅力ある自分づくり 人づくり」が繁盛店づくりの第一歩なのです。

◆「居酒屋づくり」は「街づくり」

「同業者は“敵”ではない」――著者はそう言い切ります。商売人同士が人情味あふれるやりとりをできる街は、必ず元気になっていきます。地域が元気なら、人が集まり、どの店も繁盛するに違いないのです。この信念から、静岡県藤枝市の飲食店の有志と「居酒屋から藤枝を元気にする会」を立ち上げるなど、地元の活性化にも取り組んでいます。